知人の設計屋さんのオープンハウスに顔を出した時の事。
見学に来ていた建て主さんの知人らしきヒトが、設計料のことを建て主さんに聞いていた。
「○○○円ぐらい」と話を聞いて、
「たっか〜!!私が建てた時は、30万円って書いてあった。それでも高いと思ったのに〜!」
と言っておられた。
この設計料というもの、大半がその家を考える為に使った人件費ということになる。
どういう会社であろうが、ヒトを使って作業をする限りは、そこに人件費が発生するのは当然のこと。
人件費には、その担当者の給料の他に、福利厚生から年金の掛け金
(厚生年金は会社が半分持つってことらしいが、その金だって社員が稼いでいるもの)
広告費から、会社の掃除のオバチャンの給料、
大きな会社になると、天下ってくる元官僚の退職金まで入っているのは、すべての商品で同じこと。
担当者の給料分として、仮に日当2万円、その他で3万円としても、一日に5万円稼ぐ必要があることになる。
それを踏まえて30万円。
純粋に「設計(各種調査+ヒアリング+間取り図作成+打ち合わせ+repeat)」だけに使われるとしても、
たった6日しか使えないことになる。
一生に一度の、かつ最大の、ほとんどのヒトは命まで担保にして建てる、
数千万の買い物の為に使う「設計時間」が、たった6日。
さらにその中から純粋に考える時間となると、どのくらい少なくなるのか。
それでも「高い!」という判断をされてしまう。
大量生産する既製品ではないのだから、どこに頼もうと人件費が大きなウエイトを占めるのは同じなのだが、
そのことに理解をして貰えないから、努力する会社も儲け主義の会社も同じように人件費を隠すことになり、
オープンになる設計屋だけが「高い」と敬遠される、というのが現実。
設計料が安ければ、隠しているか、建て主さんの望みを叶える努力をしてないか、のどちらかなのだ。
と、いいつつ、モノを買いにいっては「たっかー」と言ってる設計屋もいる。
反省せねば。
ゲリラ
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