もう一つ、ソフトの話。
間取りを作るソフトが出回っている。
で、これを駆使して、希望の間取りを自作して依頼者に渡す建て主さんが登場しているらしい。
これ、気持ちは解る。
建て主と同じ立場にいたら多分しちゃう。
機械というモノはマニュアル化されたコトをするのは得意。
つまり誰がやっても同じ答えになるコトである。
解りやすい例が、計算機。
「1+1」が何故「2」なのかは未だに解らないが、この世の中は「2」が正解らしい。
これは誰がやっても「2」だから、機械にでも出来るのだ。
で、間取り。間取りってのは、マニュアル化出来るような簡単なモノではない。
世界中の一流どころ100人に、同じ条件で設計を依頼しても同じプランなど一つとして出来ないのは確実。
さらに、ソフトが建築のプロでもパソコンのプロでもないヒトが使いやすいように単純化してあるのは、
他のソフトを見れば自明の理。
マニュアル化出来ない部分を機械でこなすということはどういうコトか。
たとえば、料理を作るロボット「コックくん」がいたとしよう。
・・・我ながらネーミングのセンスに呆れるが、まぁいい。
「コックくん」に指示するのは人間である。
その人間が「塩は大さじすり切り一杯」と指定すれば、
「コックくん」は何回作っても間違いなく「大さじすり切り一杯」に出来るのだが、すごいのはここまで。
『ちょっと隠し味を付けたら・・・』といった創意工夫は出来ない。
指示通りに出来る以上の料理は作れないのだ。
間取りを作るソフトがいくら優秀だって、
出来る間取りは、そのソフトを使う人間の中にある引き出し以上のモノは絶対出てこない。
それが機械ってもの。
ついでに言うと、木造住宅の基準はグレーゾーンが広いもの。
そのグレーゾーンは技術力と倫理観と哲学に従って判断しなければならないのだが、
そんなコトがプログラムされているハズもないワケで。
繰り返しになるが、気持ちは痛いほど解る。
だけど、計算機がどれほど優秀だって、フェルマーの最終定理は解けないのですヨ。
簡単
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