街を歩いていて思うのだが、すれ違う人々の服装、良いセンスをしておられる方が珍しくない。

 服飾デザイナー並みなんてレベルは少ないかも知れないが、

 色遣いから小物のコーディネートまで、おしゃれな方が多い。

 それに比べて、住まい。

 おしゃれな家の数が、すれ違うおしゃれなヒトの数より遙かに少ない気がするのだが、

 その理由は、いわゆる「舌が肥えている」かどうか、にあると思う。

 

 服は大半の人が季節毎に買う訳で、その度に、ショーウインドウなり、

 モデルさんが着こなした写真なりでプロのコーディネートを見ているハズだ。

 もちろん注目しているのは、その年の流行や形・色などなのだろうが、

 そういう最先端も当然ながらデザインの基本は押さえられているので、

 自然とノウハウが身に付くのも当然。

 

 さらに、誰しも「失敗」というのを経験している事も大きい。

 買っては見たものの、タンスの肥やしになっているって服、ありませんこと?

 自分で探して、悩んで、選んで、失敗してって経験の積み重ねが舌を肥えさせるのだから、

 意図せずとも「門前の小僧」というワケだ。

 

 それに比べて、住まい。大半の人はいざ自分が家を手に入れるゾ!と思い立つまで、

 意識を持って家を見ることなんて、ほとんど無いようである。

 家に関して意識せずとも目に付くのは、大半が大手メーカーの広告のみという、

 情報としてはかなり偏ったものしかない(だから偏っているということが見えない)上に、

 今の自分には関係ないと、漠然としか見ていないのでは舌が肥えるハズもない。

 

 ご自身の着こなしのレベルほど目が肥えてないという状態で、

 注文通りに建ててくれるイエスマンに頼むのか、

 主義主張を持っていて、違うと思うことは違うと言い、

 かつ、ちゃんとそれを説明してくれる相手に頼むのか。

 依頼先を選ぶというのは、こういう事も大きなポイント。

 

理屈っぽい
アピール力