センモンカやプロなどと、口幅ったい言い回しをしているが、

 実のところ、もっと気持ちよい呼び方はないものかと思案中。

 専門家ったって、中身は家造りが好きなだけの、どこにでも居る凡人にしか過ぎない。

 天は二物を与えずなどと言うように、家造りに少々長けている分、他の能力が少ないだけ。

 つまり、限られている能力を一つの分野に限ってエネルギーを注いできただけの話だから、

 門外漢ってヤツなだけで、特別偉い訳ではない。

 全体の能力は誰しも大差ないモノだと思うのだ。

 

 「専門家」=「一つの分野だけにエネルギーを注いできた人間」であれば、確かに専門家だし、

 「プロ」=「その分野で収入を得ている人間」であれば、プロなのだろうが、

 自分で使っていて、実のところ少々気分良くない。

 大金を掛ける家造りというものだからこそ、専門知識のある設計屋を使おう、

 と考える人があまりにも少ない現実に、なんとかならないものかと書き始めた駄文だから、

 コッパズカシさに気づかないふりをして使ってきたが、なんとかならないものか。

 

 情報は増え、技術が進歩したおかげで、問題は減るどころか増えているのが現在。

 判断するのが難しくなるのに合わせて、「絶対に間違いない判断」なんてものは無い事がハッキリしてきた。

 だから、昔の大工さんのように、『ええモン造りまっさかい、任せときなはれ!』

 って言うような時代じゃないことは言うまでもない。

 そんな世の中で、家造りの業界で生きている人間が出来ることは、

 客観的な情報の提供や、考え方の多様な例の提示、そして偏ったノ〜ミソをフルに発揮した提案。

 その上で『一緒に悩みましょう』ってのが関の山。

 もちろん、それらを解った上での『プロに任せまっさ!』はアリな話だと思うが。

 

 もちろん『ええモン』を造る自信は持って設計しているが、神ならぬ身、

 知の限界や人間の多様性なんかをイヤと言うほど思い知らされているのも『センモンカ』なればこそ。

 所詮その程度の設計屋、なにか良い名称はないでしょうかね。

 

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