家を手に入れるときに、誰もが情報を求める。
知人に本、インターネットってな具合である。情報を集めたい気持ちは当然の事で、
それはもちろん良いのだが、その努力だけで答え、
つまり自分の理想像を描ききると、もったいないことになりかねない。
専門家の目で本やネットの情報を見ていて思うのだが、
教科書的なこと、一般論的なこと、もしくは理想論しか書いていない。
明らかなウソは珍しいが、かなり偏った書き方しかしていない。
極端な本だと、ご意見の根本が『法律が間違っているのだ!!』ってモノもある。
そのご意見がおかしいということではない。
法律が妙なのは、真面目に建築を考えているモノはタイガイ感じている。
だからといって、それを前提として家を造って、と言われても・・・である。
ましてや建て主の個々の状況、予算や敷地条件、
住まいや住まい方の考え方を前提としたときの選択肢などは、当然ながらどこにもないのである。
そのような個々の状況に合わせた情報ってものがない状態で、
手に入れたいもののイメージを完成させ、住宅展示場でそのイメージに近いタイプを選ぶ、
というのが人生でもっとも高価な買い物をするのに望ましいスタイルだとは思えないのだ。
個々の状況に合わせた情報を出せる、最強最大の情報源は、依頼先の専門家である。
家に限らず、モノ造りというのは全て、依頼する作り手の出せる情報が最大で最強で最終である。
だからこそ、どのような相手に頼むにしても、誰に頼むかってことがもっとも重要な課題、
つまり実際に出来上がる家に圧倒的な影響力があるものなのだ。
依頼先というのは、事前の情報で描いた理想の家をかなえてくれる相手という考え方ではなく、
その理想の家を描く為の最後の情報として考えるべきものなのだ。
個々の生々しい条件を踏まえて、膝をつき合わせて意見の交換をしながら、理想の形を作り上げていく。
それがモノ造りである。
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