建て主が建築家を避ける理由として、時々耳にするのが
「建築家の主義主張を押しつけられてはかなわない。」というご意見。
これを少々解説してみたい。
まず主義や主張というものは、「良い建物を造りたい」という執念から出てくるモノである。
だから、主義主張を持っているのは、建築家と呼ばれる一部の人達だけではなく、
近所の大工さんだって、ハウスメーカーさんだって持っているモノ。
その証拠に、大工さんだけに任せれば、その大工さんの良いと思っているいつもの作り方に自然となるし、
メーカーさんだって、その社員に言わせれば外観を見ただけで自社の建物かどうか解るとのこと。
「良い建物を造りたい」と思っている相手に家造りを頼みたいのであれば、
造り手が主義主張を持っていることは避けられないことである。
もちろん押しつけになってはいけないので、十分な打ち合わせや説明が必要な時代ではあるが、
「造り手の主義主張がイヤだ。自分の家なのだから自分の信念だけで造りたい」と思う方々には、
残念ながら、それが幻想にしか過ぎないことを理解してほしい。
建て主と造り手のタッグは、モノを造る為のコラボレーションである。
その中で出来るモノは、「建て主の執念」と「造り手の執念」の間に生まれる子供のようなモノ。
どちらかの一方的な思いだけでは、良いモノ造りにはならない。
これは家造りだけの話ではなく、服でも、家具でも、魚を持ち込んで板前にさばいて貰うのでも同じこと。
モノ造りの基本的な骨子である。
だからこそ、住宅展示場を廻って、平均的な客の喜びそうなことしか言わない営業マンだけと話をして、
さてその中から、などという選択肢の少ない方法ではなく、
もっと様々なヒトに出会って主義主張を感じて欲しいのである。
教育
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建築家の特徴vol.3
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