一般的に家を手に入れる動機は、結婚か子供が出来た時、

 もしくは、そろそろ子供部屋が必要、と考えるとき、と言われている。

 某建築家によると、動物の巣作りと同じであるとのこと。

 動物にも色々いるので、少々短絡的な喩えとは思うが、細かいことはオイトイテ。

 

 子供の為のスペースをどう造るかってのは、設計屋にとっては非常に大きなテーマ。

 単に子供部屋を造って、「はいOK」ではないだろう、という想いがある。

 なぜ「OK」ではないのかと言うと、教育に直結するからに他ならない。

 

 建て主の一般的な要望を数多く拝聴していると、大半が自分の経験の反動である。

 その中で圧倒的に多いのが

 『自分が子供の頃暮らしていた部屋が狭くてイヤだったから、あれよりは広くしてあげたい』というもの。

 これは親の愛情に他ならないのだが、ちょいと考えて欲しい。

 大人には既に身に付いていることだから、あまり意識しないようだが、

 子供にとっては、新しく出来る家が「住まう」ことや「家族(自分以外のヒト)との関係」に

 関する常識を学ぶ場になる、ということを。

 

 間取りが子供の常識形成に大きな意味を持つことは当然のこと。

 極端な例を挙げると、子供部屋無しで育ったヒトと、広い子供部屋ありで育ったヒトでは、

 身に付いた常識が少し違うことは、想像に難くないと思う。

 (単純にどちらがよいという話ではありません。ネンノタメ)

 

 自分が育った環境の悪いところだけを考えるのではなく、子供にどういう常識を身につけさせたいのか、

 という理念も大切。

 簡単な事ではないが、子供が自分の部屋にコモって出てこないような事にならないように、

 ってことを考えるだけでも、子供のスペースが「広さ」という機能だけの問題ではないということは解るし、

 折り込みチラシにあるような間取りにはならないこと請け合いマス。

 

説明不足
主義主張