改めて、設計屋の「敷居」ってヤツを考えてみたい。

 なにゆえ、住宅展示場には行きやすくて、設計事務所には行きにくいのか。

 何のことはない。洋服屋さんを考えれば良いのだ。

 近所のスーパーの洋服売り場に入るのに抵抗感のあるヒトはいないし、

 高級ブランドショップは、入りにくいモノで、それと同じことだと思う。

 

 設計屋に自分が「高級ブランドショップ」である、という思いは無くとも、

 一般の方々がそういうイメージを持っているってことだ。

 ましてや、大半のヒトには慣れのない「家」を商売にする相手である。

 紹介して貰えるような個人的な繋がりがない方々にとっては、どうすればよいのか困ってしまうのは、

 想像に難くない。

 例えば住宅展示場が無ければ、ハウスメーカーさんにだってアプローチしにくいだろう。

 

 全国大手でなくとも、パワービルダーや、少し規模がある工務店さんがモデルハウスを作るのは、

 お客さんの立場に立って「覗きやすい・入りやすい」場所を作ろうと考えるからである。

 テレビなり折り込みチラシなりの広告を作るのだって同じこと。

 何事も知って貰わなければ始まらないのは当然のことで、一般の方々にとって不可欠な情報提供なのだ。

 

 それに比べて、設計屋。ネットで検索しても電話帳を拡げても解るように、クサるほどあるにも関わらず、

 どんなヤツかよく解らないのである。

 なんたって閉鎖的な状態だけは「ブランドショップ」のような、事務所や自宅で細々と生息しているのだから、

 「入りにくい」のは当たり前。

 お客さんから見て得体の知れないアリジゴクに見えても仕方のない状態。

 

 かといって、限られた収入(=設計料)を「莫大な広告費」に使うぐらいなら、

 設計させて頂く家の為に使いたいと思っているのだから、困ったモノ。

 住宅展示場なんて入りやすいアリジゴクにしか過ぎないじゃないか、と負け惜しみを言ったり、

 精々がこんなつまらぬコラムを書くのが関の山。

 敷居の低い設計屋を目指しているものの、その為には、どうすればよいのか・・・。

 今宵も眠れぬ夜は続くのである。

 

意識改革
敷居2