世の中には、呆れかえるぐらいのイメージ戦略が飛び交っている。
出所は当然ながら大企業さんのテレビや雑誌なんかの広告。
その広告がどういう考え方で作られているかというと、いかに良いイメージを作り上げるか、なのである。
正しいかどうかではないのだ。
コマーシャルがこんなことになってしまうのは、多くのヒトが「イメージ」で商品を選ぶのを知っているから。
正確な情報よりイメージの方が売れ行きに影響するので、イメージ作りに命を掛けることになる。
それなら「そのイメージは『ウソ』なのか?」というと、これがウソって訳でもない。
都合の良いことしか言わないだけである。
たとえば「基礎」。
「べた基礎だから、耐震性能が高い!」なんてキャッチコピーを頻繁に見掛けるが、
元々「べた基礎」は不同沈下対策、つまり建物が傾かないようにする工法であって耐震性能とはあまり関係がない。
昨今の大地震で大きな問題が起きているのは、鉄筋が入っていないコンクリートだけの基礎であって、
現在の普通の基礎は、十分耐えている。
ところが、このイメージ戦略のせいで、「べた基礎でないとダメ!」というヒトが増えているのだ。
べた基礎は悪い工法ではないと思うし、価値はあるので採用もする。
直接的に耐震性が上がるとは考えていないだけである。
でも、残念ながら、べた基礎が完璧だと思うのも、普通の基礎がダメだと思うのも大間違い。
べた基礎程度では問題をカバー出来ない地面も多々あるし、
「べた基礎にしたせいで傾いた」なんていうケースもある。
素人さんが単純に「良い!」と信じてしまうようなキャッチコピーは、偏っていると思った方がよい。
そんな単純なモノではないのだが、イメージ戦略の為には「単純明快」ってのが秘訣だったりする。
ウソをつかずに、素人さんに信じ込ませることが出来れば大成功。
ご自分のノ〜ミソは、コマーシャル菌にどっぷり感染しているという前提に立った方がよいですよ。