依頼先として大手を選ぶ動機の一番が安心感ということだが、倒産するのが珍しいことではない時代になり、

 その安心感も心許ないモノにしか過ぎなかったって事が解り始めた昨今。

 我ら零細企業は元々が心許ないのだから、建て主の不安は考え始めれば底なしである。

 そこで、家を手に入れる時の心構えってヤツをお教えしよう。

 

 家は自分で守る!

 

 これである。

 怒るなかれ。つまるところ、これなのである。世の中が今後どうなっていくかは知るよしもない。

 どんな大会社でも、どれほど人気のある設計者や大工さんでも、明日は何が起こるか解らない。

 風呂屋に行っている時に、せんとう機が落ちてくるかもしれないのだ。

 しかし、どうなるかは解らなくても、家に関わる仕事は絶対無くならないから、その道のプロは必ずいる。

 なにか問題が起こった時には、また信頼できそうなプロを捜せばいい、という覚悟、それを持つことである。

 

 重要なのは、その時に、その家のコトが解る資料(図面)、

 それも見えない部分(壁の中や天井の中)が解る資料があるかどうかである。

 問題が起こった時には原因究明の為に重要だし、リフォームするにも、どこに柱があるのか、

 どんな大きさの構造材が入っているのか、が解らなければ、どこかを壊して調べるしかない。

 あってもどうせ解らないからって思うのは心得違い。

 自分では理解できなくても、図面はプロが読めればよいのだし、プロの為にあるものである。

 

 マンションの姉歯事件でも、住まい手が構造の検証を専門家に頼もうとして、

 初めて、その資料が手元にないことに気が付き大騒ぎになったわけだが、戸建ての住宅でも同じこと。

 依頼先に安心感があろうがなかろうが、自分の住んでいる家の中身が解る資料を、

 建物と一緒に渡してくれる相手を選ぶことが、家を自分で守っていく為の第一歩だと思う。

 

 ちなみに、役所に出す図面は最低限の内容しか書かないので、物足りないですヨ。

 

ココロイキ
選び方1