高利貸しの利息の話ではないが、住宅に関してもグレーゾーンがある。
「グレー」なのだから、違法では無いのだが、世の中には多種多様のマニュアルってヤツがある。
法律とは別に造るのがマニュアルだから、法律より細かい規定が書いてある訳だが、
そのマニュアルの内容がグレーゾーンである。
なぜ「白」でも「黒」でもなく「グレー」なのか、というと・・・。
二つの工法があるとしよう。
その二つのどちらが良いかは解りやすいのだが、その効果は?となると、明快な答えがない。
つまり費用対効果が不明だから「グレー」なのだ。
「A工法だと100年、Bだと30年」というようにハッキリすれば、判断も説明もしやすいのだが、
Aで100年、Bで95年かもしれない訳だ。
だから、グレーゾーンの扱いは専門家でも難しい。
建て主が大金持ちだけなら、不明なことは(コストなど考えず)全て高級仕様でしてしまえば良いのだが、
大半はごくごく一般的な方々なのだから、費用対効果を考えるコトは、当然の配慮。
しかし、そのよく解らない部分の判断は、経験則や三段論法的推測に頼っているのも事実。
少々乱暴な喩えだが、数限りなくあるパーツの中で一番弱い部分が50年の寿命だとすると、
そこ以外を100年持つ仕様にしたって仕方がない。
だから一番弱いと思われるところから改良したい訳だが、その「一番弱い」という判断も推測でしかない。
だからといって、全て安全側にしてコストを掛ける、というのも、
現在の法律すら守っていない築50年の建物が問題なく建っているのを見ると、どうかと思う。
グレーゾーンは、情報が限られているという条件のなかで、
建て主の立場に立って判断をしていかなければいけない部分なのだ。
「マニュアルに従わない」=「手抜き」と簡単に判断するのは、
早計なコトもあるってことは知っていて欲しい。
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