建築に纏わる色々な事件・事故が続発した結果、お国のせいにされない為の、制度改革が花盛りである。
いわゆる消費者保護というヤツで、一般の方々にとって安心感を持てるモノだろうとは思う。
だからウダウダ言ったところで嘆きにしかならないのであるが、少々愚痴ってみたい。
確認申請の改革を手始めに、建て主の安心の為に様々な保険が作られた。
瑕疵担保責任保険(10年間の主要部分の保証)
完成保証制度(元請会社の倒産対策)
地盤保証制度(建物が傾いた場合の保険)が新しい面々。
これで建て主が安心できるのだから、嘆くことなどなにもない・・・こともないのである。
問題は、当たり前の話だが全て金がかかるってこと。
確認申請は、建て主が払う申請料が倍額ぐらいになったし、申請の為の作業だって倍増したのだから、
その手間代は、お客さんの負担になるのが基本。
そうならないのは、それを理由に設計料を上げられない設計屋ぐらいである。
保険は、安心を得る当人が費用を払うのがシステムの根幹である。
「お客様の安心の為!」と多くの会社が、保険加入をアピールしておられるようだが、
その各種保険に必要な掛け捨て金は、間違いなく「お客様」が払うことになる。
掛け金や手数料をお客さんに払わせておきながら、売り文句にするのは筋違いというもの。
そんな愚痴はともかく、多額の保険料が建て主の負担となるのが現実。
にもかかわらず、その建物が不要になるまで面倒見てくれる保険など無い上に、
保険料の分、建物本体に掛けるお金を減らさざるを得ない、という状況に嘆いているってわけ。
保険による安心の為に建物の質を落とすという矛盾、消費者保護の観点から、なんとかならないものかしらん。
まあ保険ってのはそういうものだし、そんな保険が必要になったのは、
大半の家が「造る作品」から「売る商品」になってしまったからってことは重々承知なのだが、
お施主さん・職人さんと一緒に苦労しながら「作品」を造ってる人間には、納得しかねる今日この頃。
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