部品に憧れる方が多いようである。

 「佐藤さんちのキッチンいいよね〜」「鈴木さんところの窓ってステキ」と、こんな感じ。

 せっかく新築するのだから、憧れのあの部品を是非!って気持ちは至極当然。

 是非そうなさい!と言いたいところだが。

 

 さて、工作のお時間。好みの俳優さんの写真を数人分準備して下さい。

 時代劇好きなら、杉様に桃太郎侍、暴れん坊将軍とか時代劇づいてる村上君。

 女性なら、もっと若いところで、上野樹里さん、田中麗奈さん、石原さとみさん、黒木メイサさんぐらい。

 材料が揃ったところで、さあ作業。それぞれの部品で福笑いをしてみましょう。

 あこがれのヒトの写真にハサミなんか入れたくないなんて言わないで。

 田中さんの輪郭に石原さんの口、上野さんの目、黒木さんの鼻をのっけてみましょう。

 さて、美人になるかどうか?暴れん坊将軍が、杉様の流し目だったら・・・。

 

 部品ばっかり見て、全体を見ないとそういうことになる。

 出来上がるのは一つの部屋なんだから、その部屋として良いかどうかを考えなきゃいけない。

 鈴木さんのところと同じ窓を付けてみても、鈴木さんちでは窓から川が見えたのに、

 あなたの家では、お隣さんの洗濯物しか見えないってなことになっちゃモッタイナイ。

 だいたいが、建物は部品から決めていくモノではない。

 あの窓は鈴木さんの家だから良いのであって、間取りも庭の広さも違う家にそのまま付けて良い訳ない。

 

 星新○氏のショートショートでこんなのがあった。

 とある嫁さんがダンナから絵を貰った。

 この嫁さん、コーディネートの天才で、愛するダンナに貰った絵だからと、絵に合わせて徹底的に改装。

 そして最後は「離婚する!絵にダンナが合わないのよ・・・」というオチ。蓋し名作である。

 これは物語だから極端としても、あこがれのキッチンがその家に似合うかどうかは大切なこと。

 それに、見たことのあるキッチンと世の中にあるキッチンの数、どれぐらい差があるかは知った方が良い。

 少ない知識だけで憧れてしまうのは、ゴ○ィバを知らず、チロルチョコが良い!って言ってるようなもの。

 ちゃんと両方食べてからチロルチョコが好き!と言って欲しいワケ。

 

家のレシピ
デザインって