建物にかかわる法律が、どのくらいあるかご存じだろうか。基本の「建築基準法」には、
大雑把なことしか書いていないので、もっと細いものとして「同施行令」「同施行規則」というのがある。
これで終わりかというと、「告示」や「通達」があり
その上に、各都道府県ごとに出される「条例」ってのがダメ押し。
その他の関係法令まで見ると、あるわあるわ。
手元の法令集を見ると、100以上の「○○法」が記載されている。
その上、これら全てが毎年のように部分改正される。
「専門家が法律を知らないなんて!」というのが、一般の認識かもしれないが、
おそらく全部知っているヒトなど一人たりともいない。
車の免許を持っていても「道路交通法」を全て知らないのと同じ。
知っていて当然の基本的な内容もあれば、物件ごとに調べる内容もあるってワケ。
それぞれに、難読・難解・不可解なことが書いているのだが、
文章ごときで小説より奇なる現実に対処しきれる訳がない。
不明な点は、判断権限をお持ちの方に相談する訳だが、これが聞くヒトによって判断が違う。
ましてや、県ごとの法律もある訳で、□☆県では合法な建物が△※県では違法建築になったりすることも。
さらに、タチの悪い県では、文章化していない「内部規定」なるものがあるらしい。
こんなのに引っ掛かって「プロとして失格!」なんて言われた日にゃあ、立つ瀬がない。
そんな中で、少しでも良い建物を造ろうと努力している訳だが、
所詮人間のすること、たまには細目を見落とすことだってある。
それをまるで機械のごとく完璧であるのが当然のように断罪するって風潮、どうかと思うのだが。
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