建物ってのは、あらゆる部分が矛盾のカタマリである。
矛盾というのは、『あっちを立てれば、こっちが立たず』ということ。
・窓は大きくしたい! × 高断熱にしたい!
・耐震性能を高くしたい! × 大きな部屋にして、リフォームもしやすく!
・窓は断熱ガラス! × 太陽のあったかい日差しを取り込みたい!
・大きな吹抜が欲しい! × 暖房がすぐに効くように!
とまあ、こんな感じで、いくらでも挙げられる。
で、矛盾する両方ともが、建て主の希望となるのだが、これは設計屋が自分の家を建てる時でも同じこと。
要望が間違っているのではなく、一般的な技術の限界。
建て主がその両方の特徴を知った上で要望を出す、なんてことはほとんどない。
住んだことのない家を見て憧れ、せっかく建てるのだから是非憧れの○○を!となるのが普通である。
これは、恥ずかしいことでもなんでもなく、いわば当然のこと。
設計屋だって、建物の事については少々えらそうに意見できるが、
例えばパソコンを買うって事になると全く無知。
必然的に、『憧れ』や『思い込み』で選ぶことになる。
とは言うものの、それじゃ少々心配なので、詳しい友達に聞いたり、雑誌を読んだり、
親切な店員さんに聞くことになるワケだ。
だからこそ、相談を受ける立場である専門家は、両面的な説明を心掛けなければいけない、と思う。
とはいうものの説明には自ずと限界もあるわけで、実際に住んでみないと、本当のところは解らない。
なぜって、最後は住まい手の感性の問題だから、である。
良いことだけの完璧なものなどないってことを知ることは大切ですよ。
技術屋?
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設計料って:2
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