建築家というものを一言で説明するのは、なかなか難しい。

 というのも、それぞれがそれぞれの主義や信念を持っているからだ。

 そこで、逆に共通点を一つ一つ探ってみようって事にした。

 所詮、私の持っている「建築家像」でしかないのだが、それは仕方がない。

 

 建築家というのは、ニセモノ嫌いである。

 ニセモノってのは、プリント(=印刷)に代表される、素材と見た目が違うヤツのこと。

 具体的には、木目模様のビニール床材や、コンクリート模様のビニルクロス、つまり壁紙なんかが代表格。

 

 数多くの素材が建築の材料として使われるが、その中で、プラスチックやビニールの素材は、

 それまでの材料の代替え品として使われてきた。

 例えば、和室の天井には、杉板の上等なヤツを使うのが高級仕様の一つだが、この杉板が高い。

 で、杉の木目がプリントされたニセモノ建材が開発され、一般的になったのだが、

 そんな材料を使うぐらいなら、ペンキ塗りの方がよいと思うのが建築家。

 

 プラスチックやビニールが悪いと言うつもりはない。

 プラスチックにはプラスチックの特徴があり、それは、プラスチックしか持っていない特徴でもある。

 

 どんな部分でも、本当に良い材料を使いたいのはヤマヤマだが、コストの問題を無視する訳にはいかない。

 で、ローコストな素材を使うことになるのだが、違う素材に高級材料のモノマネをさせても所詮はニセモノ。

 良い建物にはならない。

 だからプラスチックは、プラスチックの良さを活かした使い方をしたいのが建築家。

 

ワガママ三昧
空間・・・?