建築士は、天才でもなければ神様でもない。

 知らないことも多々あるし、間違うことだってある。

 その証拠に、建築士の試験は満点とらなくたって合格するし、

 お役所や様々な協会・団体なんかが、数多くの勉強会を開いている。

 勉強会があるってことは、知らんことがあるってこと。

 そこを勘違いして仕事を頼むと後悔することになる。設計屋も職人さんも、皆さんと同じ一般人である。

 

 棟上式なんかでオカメの面を奉るが、

 由来は、その昔、腕が良いので有名な大工さんがミスをしたことにまつわる逸話。

 内容は別途検索して貰うとして、昔から一流のプロでもミスをしてきたのである。

 建築では、プロフェッショナルというのは、ミスをしないヒトを言うのではない。

 ミスを極力少なくするよう務めるのは当然だが、それでも起きてしまったミスをいかに判断し対処するか、

 その能力があるのがプロフェッショナルである。う〜む、なんか格好いいではないか。

 

 で、いそいそと勉強会に行く訳であるが、先生は専門家。

 設計屋から見て「専門家」というぐらいだから、さらに細分化した各分野での権威の方々である。

 ご高説を拝聴するのであるが、これがなかなか難しい。

 内容が難しいってのもあるが、オノオノ各専門分野での権威の方々、言うことがヒトによって違うし、

 簡単に「法律が間違っている!」って言ったりする。

 それに、別の分野のことは、あまりご存じないことが多い。

 「おっしゃることは解りますが、別の分野の問題はどうするんですか?」って聞くと、

 「私はこれの専門なので・・・」とのご返事になったりする。

 

 専門家なのはメーカーさんも同じ。

 様々な研究・実験の結果新製品が出来るはずなのだが、質問すると似た返事が返ってくることがある。

 「御社の新製品について聞きたいのですが」

 「この製品はですねえ、こういった特徴がありウンヌンカンヌン」

 「それは解りますが、その効果が出ると、別の部材に影響してきますが、大丈夫なのですか?」

 「当社は○○専門なので解りかねます・・・」。

 つまるところ、どうしたらよいのかは設計屋が考えるしかないようなのである。

 やれやれ大変な商売だこと。

 

高気密のウラオモテ
設計事務所は・・