よく聞かれることの一つが、「どの工法が、耐震性能が高い?」である。

 この質問自体が、いかに建築の技術的な基本が世間に伝わっていないか、の証明。

 やはり工法が耐震性能を考える目安とした方が、簡単に判断出来るからだろうか。

 

 基本は、工法で決まるのではなく、どれだけの性能を持たせるかという考え方で決まる、というのが正解。

 理論的には、コンクリートや鉄骨の建物より耐震性能が高い木造の家を造ることも出来るのだ。

 おなじ木造でも2×4(ツーバイフォー)は耐震性能が高いと世間では思われているようだが、

 2×4より高い性能の、普通の工法も出来る。

 もちろん、工法上の特性や法律なんかで、一般的にどちらが高いかという傾向はあるが、

 それはあくまで何も考えずに造った場合の話。

 

 本当に考えなければいけないのは、根本的な問題の

 「どこまでの耐震性能があるのが正解?」という点である。

 これを問わずして、どの工法が性能が高いか、などと言ってもしかたのないこと。

 地震の想定震度が行政から出ているが、それが確実かどうかは神様にしか解らない。

 とは言うものの、心配し始めるとキリがなく、あげくの果てには使い勝手も風通しも諦めて

 シェルターに住むしかない、ってことになりかねない。

 

 一般の方々にとっての目安は「神戸の地震に耐えられるかどうか」という事だと思う。

 さて、神戸の地震に耐えられる工法は?というと・・・。

 どんな工法でも耐えられる家(計画)は出来る、というのが答え。

 耐震性能を理由に工法を決める必要など、なにもないですヨ。

 

材料
建築家の特徴 .2